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すぐわかる!DNSのしくみ

実際にこのDNS(住所録)がどのように利用されているのかをみてみましょう。
ある人がWebブラウザを使って「http://example.jp」のホームページにアクセスする場合を考えます(@)。「example.jp」のWebサーバーをみつけるためには、「example.jp」のIPアドレスが必要となります。このIPアドレスを調べるために、DNSが利用されます。

▲IPアドレスの問い合わせの流れ。ひとつのIPアドレスを知るために多くの問い合わせステップがある。

最初は、DNSの一番上にあるルートサーバーに問い合わせを行います。ルートDNSサーバーに、「『example.jp』のIPアドレスは?」と聞くと(A)、「example.jp」の最後の部分、「.jp」の部分に着目して、「『.jp』のDNSサーバーに聞いて」といった返事が返ってきます(B)。ルートサーバーは、トップレベルドメインごとのDNSサーバーがどこにあるか、という情報だけをもっているのです。
その道案内にしたがって、今度は「.jp」のDNSサーバーに、「『example.jp』のIPアドレスは?」と、さきほどと同じ問い合わせをおこないます。すると「.jp」のDNSサーバーは、「『example.jp』のDNSサーバーに聞いて」といった返事だけを返します(C)。「.jp」のDNSサーバーも、最終的なIPアドレスの情報ではなく、それをもっているであろうDNSサーバーの場所だけを示す、というわけです。
その返事にしたがって、今度は「example.jp」のDNSサーバーに「『example.jp』のIPアドレスは?」と問い合わせます。ここでようやく、「『example.jp』のIPアドレスは、『192.0.2.10』です」という回答を得ることができるのです(D)。こうして目的のWebサーバーに辿りつき、ホームページを見ることができる、というわけです(E)。

一見遠回りのように思えますが、インターネット上で数えきれないほど繰り返される問い合わせの全てにきちんと答えるためには、非常に効率的な方法といえます。
あなたのパソコンにホームページが表示されるまでの間に、こんなにたくさんのやり取りがあるなんて驚かれるかもしれませんが、インターネットを利用する上で必ず必要となる大切なしくみ、それがDNSなのです。

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